冬の審査後数ヶ月 稽古をせず


春審査1ヶ月程まえから稽古再開


稽古しない間 何をしていたかと言うと本を読んだ。Youtube で審査の動画をよく見た。


本は 剣道雑誌 審査に向けた本 探してネットで買ったり剣友が貸してくれたり。


剣友は沢山の本を持っていた。


 彼も何度も六段に不合格だった。彼も悩んで悩んで本に活路を求めたのだろうか。


今までも 剣道雑誌は読んでいた。


なのであまり本には期待がなかった。


しかしながら、


自分の置かれた状況で本の見え方って変わるものだ。頭に残る内容が変わる。


今までは 打ち方 一本の取り方ばかりが目に入って来ていた。いかに早く打つか。そればかり。


だが当時の私の周りの方々のアドバイスは


攻め


勝って打つ


崩し


乗る


というキーワードがほとんどで 私もそこに気持ちが向いていた。


しかしそれは 非常に難しい、全くわからない事であった。


多くの方のアドバイスは 足での攻めであった。


特に右足。


本には右足をスッと出すとお相手が打ってくる、そこで手が上がれば出小手


面に飛んで来たら返し胴


居着いたら面に飛ぶ。


などと書いてある。


そんなにうまくいくものではない。


特に上位の方にかかると右足を出してもピクリとも動かないか 出した瞬間に面を打たれる。


それでも打っていくと小手を抑えられたり、剣先が喉元にどかーんと飛んできたり、綺麗に胴を抜かれたり。もう真っ二つである。


なので、ますます攻めがわからなくなる。


そうこうしているとき、次の文章に巡り合う。


「攻めを研究するなら下手とやれ。」正確な文言は違うが、このようなニュアンスの文章。


つまり小学生や中学生に攻めをやってみなさい。という事。


考えてみれば、 その当時は小学生や中学生にだって、 思うように打ててたわけではない。 スピード頼りで打っていた。 今考えてみると らない 訳だ。 小学校高学年 や中学生の打突は速いのである。

当時40 なかばの私が スピードで勝てる訳はない。


攻め という もの わかっていない者にとって スピードを押し殺して、攻めて打つ事の試行は、 ひょっとすると 小中学生に打たれて しまうのでは ないかというちょっとした 恐れ、プライド がズタズタ になるのではないかという 気持ちとの 戦いでもあった


みごとに その 通りになった。


攻めの 実験の 1つ目は、 右足 どのように出すべきかという もの であった。

身近に いた 先生の 足を見ると、 ポンっと 踏み出しそれと 同時に打ち込むというものであった。

周りから 見て いると ポンっと右足が出るのは 見えるのだが、 相対していると それが全く わからない、見えない のである。


まずは これを 見よう 見まねで やる事にした。


そんなに大またで踏み出すわけではない。 ちょっとだけである。 だからお相手にはわからない、見えないのだろう思い、 その ように 小中学生 にやってみた。

小学生低学年 から 剣道を始め、 いろんな試合に出て、 経験豊富な 子ども達には通用しなかった。

右足を踏み出した途端に、面をピシッと打たれてしまう。


だからと 言って、 そこで スピードで打つことに戻るわけには いかない。攻めが効いたあとにポコっと打てるよう にならなく ては。

何度も何度も試した。最初は中学生には無 理なので小学生に試す。足をちょっと出してみたり、大きく踏み出してみたり。


速く踏みだしてみたり、ゆっくり 踏みだしてみたり。


真前に出したり、右に出たり、 左に出たり


強く 踏み込んだり、そろ~っとやったり。


一番 良かったのは、 そろーっと 踏みこんだ時だった。

今考えてみるとお相手に動きを悟られない よう には、 そろーとがいいと思う。