いよいよ 始まる 五段の方々への攻め。


剣道界では、五段から高段者と呼ばれる。 私は剣道を再開した時 道場におられた先生が、七段と五段であった。 再開当時私は二段。


当然 手も足も出ない。 しかも 中学生までで 剣道をやめて高校一年で稽古 もせず、昇段審査だけ受けての二段。それ以降13年間、1回も竹刀を握ることのなかった 私には、五段の先生がどれだけ大きく見えて、強く見えたか。 まったく 当らないしかすりもしない。


そう 振り返るとやはり五段は高段者なのである。

強いんである。 当時私も五段になっていたのでは あるが、自信があった訳ではない。六段審査に五回も落ちると、自信があるなんてものではな い。 根拠のない 自信さえも消え失せて'いた。


ある 先生からは 言われた。

「君は高校・大学で 剣道やってないので、専問的に習った ことがないからなかなか厳しいね。」 と。これは、「六段受ける資格はないよ」と言わ れたように聞えた。 五回も受けて来て、今さら そんな言い方は ないよね~ 最初から言ってよとさえ思った。


しかしある先生からは、 「梅の花は 寒い寒い冬の間じっと我慢してたえてから 花を開くのでとても良い香りを放つのだ、きっと 君の六 段は すばらしいものにな るだろう」 と言われた。

この お言葉は心に響いた。 精神的・体力的にきつかった私には 大きな支えとなった。


話がそれてきたので軌道修正


五段の方々への 攻め。 子ども達や三四段の方々にやって来たのと同じやり方を その通りやった。


当る確率が大巾に減る。

まず私の右足が 出ても,動じない。

打って出てこないのである。

もちろん打って来る人も いるのだけれど。


出て来る人でも、簡単には当らない。

何かが 足りない。 何だ! それを探す 日々がスタート。


特に何をして よいのか わからないので とりあえず同じ事を 続ける。何度も何度も 続ける。


ずーっと やって いたのは、 スーッと 右足を出す

すると お相手が 出てくるので その時に打つ。

これである。


ある 時、 スーッと 足を出すと 床のコンディションのせいだろうか、 足が止まった。湿気 のせいだろうと 思うが、ふっと 瞬止まった。


するとである。 その 一瞬の次の瞬間に お相手が打って来た。 一瞬間があいたのだ。その一 瞬の間に お相手が打って来た。


今までと違う 間だった。


何なんだこれは!!と 思った。それから答をさがすため、 それからは何度も意図的に 足をスーッと出し、 途中で止めてみた。


今まで 足を出すだけでは 打ってこなかった 五段の方々 が打って来る確率が増えた。